AS9110 航空宇宙マネジメントシステム – メンテナンス・リペア・オーバーホール(MRO)
航空機の整備・修理・オーバーホール(MRO)を担う組織にとって、品質と安全性の確保は事業の根幹です。AS9110認証を取得することで、これらへの確かなコミットメントを示すとともに、業界内での信頼性を高め、競争上の優位性を確立することができます。

AS9110とは
AS9110は、航空・宇宙・防衛(AS&D)業界向けに整備・修理・オーバーホール(MRO)サービスを提供する組織のための国際品質マネジメントシステム規格です。国際航空宇宙品質グループ(IAQG)が策定するAS9100シリーズの一つで、1999年に初版が発行され、直近では2016年に改訂されています。
本規格は、民間・軍用航空機のMRO業務に携わるあらゆる規模の組織を対象とし、ISO 9001を基盤としながら、航空機の安全性および耐空性を確保するための追加要求事項を盛り込んでいます。世界の航空機保有数は2024年時点で38,000機を超えるとされており、AS9110はこの拡大を続けるMRO市場において、極めて重要な役割を果たしています。
AS9110認証の主なメリット
AS&D業界では、品質と安全性は最優先事項です。AS9110認証は、これらへの確かな取り組みを示すだけでなく、継続的改善を実践していることの客観的な証明となります。
- 品質・安全性および継続的改善へのコミットメントの可視化
- オペレーション効率の向上とコスト削減
- 顧客およびステークホルダーからの信頼性向上
- 高額案件・入札案件への参入機会の拡大
- 従業員のモチベーションおよび品質意識の向上
AS9110は法的な義務ではありませんが、多くの調達仕様書に引用されており、航空宇宙分野における品質の国際的ベンチマークとして広く認知されています。
AS9110の要求事項
AS9110はISO 9001を基盤としつつ、航空機整備特有の要求事項を追加した規格です。組織は以下を含む10の条項への適合を実証する必要があります。
- 組織の状況:業界動向やサプライチェーン全体を考慮
- リーダーシップ:トップマネジメントの責任および説明責任
- 計画:品質・安全に影響を及ぼすリスクへの対応
- 支援:QMSを効果的に運用するためのリソースの確保
- 運用:整備・修理プロセスの計画および管理
- 改善:顧客満足度向上に向けた継続的改善
規格は柔軟性を備えており、品質マニュアルを従来型の文書で管理することも、デジタルツールや動画などを活用することも可能です。
AS9110認証取得のステップ
AS9110認証は以下の5つのステップで取得します。
認証は3年サイクルで維持され、毎年のサーベイランス審査および3年目の再認証審査が必要です。
認証の移行(トランスファー)
次のステップ
AS9110認証は、貴社のMROビジネスを新たなステージへと導く重要な一歩です。
導入のご相談や詳細については、ぜひNSFまでお問い合わせください。
出典
1Statista (2025)、世界の航空機MRO市場 - 統計と事実